vol.30 芦田さんの京都丹波産小豆でつくった、麻生怜菜さんの「苺大福」

教えてください

麻生 怜菜さん(東京都渋谷区)
麻生 怜菜さん
精進料理研究家 1982年、長崎県生まれ。 全国を転々とした幼少時代を過ごし、旅行好きの両親の影響もあり 47都道府県全ての地域食材、郷土料理を食べて成長する。2011年よりフードアナリスト講師として活動、「あそれい精進料理教室」主宰。

お教えします!

芦田さん(京都府福知山市)
芦田さん
1954年、京都府生まれ。全国を転々とする公務員生活の後、京都府丹波の田舎に帰る。兼業農家となり、現在農業一年生。

「小豆」のことを教えてください。

  • From:料理家
     麻生 怜菜
  • To:生産者
     芦田さま

お父さま、こんにちは。年末には、沢山の小豆を送っていただきましてありがとうございました。
お正月には餡たっぷりの「あんころ餅」に、小正月には「小豆粥」、そして「いとこ煮」や「蛸と小豆の煮物」「おはぎ」など、いろいろな料理に活躍しています。
小豆は、8世紀頃にはすでに日本へ伝来し、「古事記」(712年)や「日本書紀」(720年)の文献の中にはすでに小豆の記述があるそうですね。小豆の利用法は沢山あり、小豆文化が日本人に根付いているのだと改めて実感いたしました。
「あそれい精進料理教室」でも、行事食としての小豆粥から、苺大福などのデザートまで、毎回と言って良いほどに小豆が登場しました。丹波産の小豆は粒が大きく、ホクホクとした存在感があると好評です。
京都丹波の豆類は、小豆だけでなく、夏に送っていただきました枝豆もサイズが大きく見た目も立派でした。初めての小豆作りでのご苦労や工夫した点などお教え下さい。

「小豆」のこと、お教えします。

  • From:生産者
     芦田
  • To:料理家
     麻生 怜菜さま

こんにちは。初めての小豆を喜んでいただいて何よりです。
丹波の大納言小豆はブランドです。作るきっかけは5aばかりの田がそのままになっており、今は減反で米は作れないため、。6月以降に植えることができて、手間 がかからないものは?と探し、、小豆作りに挑戦することにしました。

友達から、生ごみから作っている有機肥料と石灰が効果絶大と教えてもらい土に撒きました。その後、耕して畝を作り、種を蒔きます。30cmに2粒 ずつ蒔くのですが腰が痛くなる作業です。1週間で芽が出てくるので、育って来たら土を根元に寄せて行きます。これをしないと倒れてしまうのです。夏場 の作業は結構しんどいですよ。

お盆を過ぎたころから雨が多くなり、土が重くなって土寄せできなくなります。雨で地盤 がゆるんで小豆が倒れてしまいましたが、さらに育ってツル化してきたので、育つに任せていました。晩秋にはそれなりに実がつき、失敗のようでも、どうにかこうにか育つものです。

収穫して納屋に運び、枝からさやをとり、乾かしてから、実を取り出します。特別にしんどい作業ではありませんが、手作業だととても時間がかかります。小豆の中に混じったごみをトウミで吹き飛ばし、これでひと段落です。その後、豆の選り分けを行うのですがこれはさらに時間がかかる作業です。

初めての小豆作りはとても大変でしたが、手間暇かけ、周りの皆さんに支えられて美味しい小豆ができました。これからも色々な作物を育て、多くの皆さんの食卓にお届けしたいと思っております。

小豆を使って「苺大福」をつくりました。

  • From:料理家
     麻生 怜菜
  • To:生産者
     芦田さま

お父さま、お返事ありがとうございます。春がだんだんと近づいてくるような、温かい日も増えてきましたね。送っていただいた小豆は想像以上のご苦労があったのですね。

先日、小豆を使って餡を作りました。和三盆を使い、上品な優しい味に仕上げた餡は、「苺大福」、「おはぎ」、「餡団子」、「抹茶白玉のぜんざい」としていただきました。餡にほっくりした食感があり、甘みをおさえて作ったので、豆の味を感じることもできました。

精進料理教室でも味の評判が良く、手作りの良さを実感いただけました。また、作り手の思いや、こだわりを伝えることができる食材は、安心も感じていただけたようです。
もう少し暖かくなりましたら「あんみつ」や「羊羹」も作ってみたいですし、夏には宇治金時風に、抹茶と餡の「かき氷」も作ってみたいと思います。

春にはどんな作物を植えるのでしょうか?また、新たな作物のお便り、楽しみにしています。

  • ※この記事は、2012年03月の取材に基づいて構成したものです。

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