vol.32 奈良県大和郡山市 健一自然農園の烏龍茶でつくった加奈山健身さんの「大和烏龍茶の米粉シフォン 初摘み烏龍茶のアイス添え」

奈良県大和郡山市の健一自然農園の烏龍茶で、加奈山健身さんが「大和烏龍茶の米粉シフォン 初摘み烏龍茶のアイス添え」を作りました。

教えてください

加奈山 健身さん(大阪府大阪市)
加奈山 健身さん
中国料理 専門技能調理師(国)を保持するフードコーディネーター ◇大阪 東京 香港最高峰の名門店にて高度の技術を習得し専門技能調理師を取得。 以降、ワールドクルーズ客船のキッチンクルーに抜擢され中国・アジア料理 調理部門を統括する。現在、調理師学校やクッキングスタジオでの講師業の他、フードコーディネート、スタイリング、商品開発など幅広い分野で活動中。

お教えします!

伊川 健一さん(奈良県大和郡山市)
伊川 健一さん
1981年奈良生まれ。奈良県旧都祁村・山添村・(大和高原)で里山環境を活かした自然栽培によりお茶をつくる健一自然農園の代表。仲間と共に自然茶作りを柱とした、持続可能で幸福感の高いコミュニティーとライフスタイルを模索している。 現在、カフェを拠点に大和茶の魅力を情報発信するとともに、家族が楽しめるお茶摘み体験や各種イベントなどを企画している。
健一自然農園について詳しく見る 別ウィンドウ

自然農 大和茶のこと教えてください!

  • From:料理家
     加奈山 健身
  • To:生産者
    健一自然農園 伊川 健一さま

伊川さん こんにちは。
新茶の香る清々しい季節になり収穫で多忙な日々を送られているかと思います。
わたしが初めて健一自然農園を知ったのは、奈良地域の学び推進機構の三宅様から大和の北海道と呼ばれている都祁の里で、自然栽培を受け継いでいる若者が居るというお話を聞いて、早速訪問させて頂いたことを思い出します。
車窓を流れる景色はとても静かで、ところどころで見られる茶畑や製茶場から立ち上る香ばしい香りにこの町の特産物としての茶の存在が伝わってきます。

伊川さんが管理されている総面積3.8haもある膨大な茶畑の中でも、一際目に止まったのが青々とした烏龍茶の茶畑でした。 
大和の風でじっくりと発酵させた初摘みの茶を、一口入れた瞬間 上品な香りがふんわりと立ち上る「和」の烏龍茶に驚かされました。
大和高原の中でも最も高い場所にある茶畑は寒暖の差が大きく、厳しい環境で栽培された茶葉は味わいもしっかりとしていて、まさしく和と中の融合とも言えるでしょう。今では日頃の生活になくてはならない和みの一品となっています。

健一自然農園のモットーである化学肥料や農薬を使わない自然栽培でのこだわりや、苦労していることも多々あると思います。
生産者から消費者へ、これだけは知ってもらいたいことを、今一度教えて頂けませんでしょうか?
ご多忙の中、恐縮ではございますが返信楽しみにしております。

自然農 大和茶のこと、お答えします!

  • From:生産者
    健一自然農園 伊川 健一
  • To:料理家
     加奈山 健身さま

加奈山さん こんにちは。
当農園の烏龍茶を暮らしの中のシーンでお楽しみいただきまして誠にありがとうございます。

大和高原の茶畑は今、柔らかな新芽が風に揺れ、なんとも穏やかな生命力に包まれております。土と太陽と水、そこに生きる無数の微生物と昆虫。その営みの中で育った茶樹は、純粋さはもちろんの事、しっかりと張った根から微量栄養素を吸い、早すぎない本来のスピードで育ってゆきます。そうして芽吹いた茶葉は非常に充実しているため、烏龍茶に製茶すると、柔らかな花の香りとしっかりとしたのど越しを生みます。

私が烏龍茶をつくり始めたきっかけは、お茶農家になって間もない頃、地元の方からありがたく使わせて頂けるようになったお茶工場で、柔捻機、中柔機、乾燥機の三台が使用できたのですが、これらの機械で作ることが出来るお茶が、紅茶と烏龍茶でした。その時に与えられた素材をつなぎ合わせると烏龍茶が適しており、ここから私の烏龍茶作りの追及は始まりました。
まず私は、自然栽培にこだわりました。自然栽培で大事になってくるのはやはり土作りです。土に対して人為的な肥料成分を入れないため、古くなって落ちる茶葉や、何年かに一度刈り落とすお茶の茎や葉、畑の中に生える草などの有機物が土の中で循環します。そして、太陽の光と天水が加わり、水はけが良くて水持ちの良い本来の土になっていきます。その中でいかに根っこが元気に張れるか、朽ちた枝や枯草で地表面に直接日光が当たるのを防いだりと、お世話に努めています。

自然栽培のお茶作りで一番の要は、お茶と人間の関わり合いです。畑ごとに見事に違った茶葉の状態を見極め、その茶葉が一番輝ける製茶を経験と直感で判断し、茶摘みと茶揉みをスムーズに行い、そして5月~8月のこの期間、気持ちをいかに切らさずに集中して、仲間と息をあわせながらいけるか。作業的にはたくましくエンドレスに生えてくる草とツル草をはいつくばって引く事です。

現在は、自然栽培の安全性の高い生茶葉の魅力も感じ始めております。季節ごと、畑ごと、品種ごとに変化する生茶葉は、苦みの奥にコクと甘みがやってきます。日光を加減してやや渋みのマイルドな生茶葉についても今後はもっと追究していきたいと思っております。

加奈山さんのレシピ、楽しみにしております。

「大和烏龍茶の米粉シフォン 初摘み烏龍茶のアイス添え」ができました!

  • From:料理家
     加奈山 健身
  • To:生産者
    健一自然農園 伊川 健一さま

収穫時期で多忙の中、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございます。
伝統を引き継ぐ自然農への こだわり、農に就くという苦労や厳しさ、しかし、その背景に居る仲間たちとの「絆」や「大和心」が良い製品にしっかりと表れていると思います。
茶の良さは人と人の間を取り持ってくれるところ、おもてなしの一杯が心を和ませたりする素敵な職業だと思います。日頃、何気に食しているものと生産者の方々に改めて感謝をし、無駄をすることなく美味しく調理することが、我々料理人の使命だと感じます。

さて今回は、伊川さんこだわりの自然栽培の烏龍茶と奈良産の米粉を使い、和洋中のエッセンスを融合した香港スイーツに仕立てました。
味わいある烏龍茶にはシフォンケーキ、そこに、初夏らしく初摘み烏龍茶のアイスクリームを添えました。
茶葉の香りがほんのりと香ばしく、楽園を想わせる2種類の烏龍茶で贅沢な一品に仕上がりましたよ!
ぜひ、カフェメニューのヒントに役立ててもらえたらと思います。

カフェの運営や家族で楽しめるお茶摘み体験などと今後のご活躍を心から応援しております。
そして、これからも良い大和茶を作り続けて下さい。
楽しみにしております。


素材は健一自然農園から…
菊茶天 「きっちゃてん」
奈良県大和郡山筒井町696-1
営業時間 10:00~18:00(定休日 水曜日)
http://www.kiccha.jp/

食材の詳しい情報はこちら

健一自然農園
公式サイト
http://www.kencha.jp
  • ※この記事は、2012年05月の取材に基づいて構成したものです。

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