vol.21 静岡県由比・山本博俊さんの無農薬甘夏でつくった、 二本木さんの「甘夏のはちみつマリネ」

静岡県・由比で代々続くみかん農家の5代目山本博俊さんの無農薬甘夏で、「Y's food labo」を主催する二本木ゆうこさんが「甘夏のはちみつマリネ」を作りました。

教えてください

二本木ゆうこさん(神奈川県)
二本木ゆうこさん
元気食プロデューサー。管理栄養士。横浜で料理の基礎のパーソナルトレーニング「マンツーマンレッスン」を主に料理教室を運営。そのほか企業向けのレシピ提案やイベント講師などを務める。元気なうちからの介護予防を目的とした「円熟世代の食活」をテーマに今秋講座をスタート。

お教えします!

山本博俊さん(静岡県)
山本博俊さん
静岡県・由比で代々続くみかん農家の5代目。現在は無農薬の甘夏、八朔などの柑橘類とびわを中心に生産。安全でおいしい果物作りを日々研究している。旬の時期のみの果物の軒先販売(不定期実施)では由比観光のお客様にも喜ばれている。
TEL・FAX (0543) 75-2810

「甘夏」のこと教えてください

  • From:料理家
     二本木ゆうこ
  • To:生産者
    山本農場 山本博俊さま

いつも美味しい甘夏を届けていただき、本当にありがとうございます。
毎年、山本さんの無農薬甘夏でマーマレードや甘夏ピールを作るのが初夏の楽しい行事となりました。
マーマレードは料理教室でも紹介しています。作っている最中のフレッシュな皮の香り、そして出来上がりの味ともども大好評。甘酸っぱさとほんのりとした苦みに「甘夏って大人になってから魅力が分かるフルーツですね~」というお声もありました。

いつも初夏にいただいている「甘夏」ですが「夏」と名がつく果物、何月まで収穫に適しているみかんなのでしょうか?今さらながらですが甘夏という果物について教えて下さい。

また山本さんからは、甘夏の他に八朔や柚子もいただいていておりますが、全般に果汁が多く、味も濃い印象があります。由比の柑橘の美味しさの秘訣はどんなところにあるのでしょう。

「甘夏」のこと、お教えします

  • From:生産者
    山本農場 山本博俊
  • To:料理家
     二本木ゆうこさま

こんにちは。
確かに品名に「夏」がつくと、真夏のイメージもあるかもしれませんね。
日本は南北に渡っているため、土地によって収穫期は多少違いますが、由比の場合は大体、4月半ば~6月の初めくらいまでが収穫期となります。
甘夏の一生を簡単に説明しましょうね。由比の場合は毎年6月頃に花が咲き、8月くらいからごくごく小さな実がつきます。この実が徐々に育ち、年末年始の頃になるとやや大きめのみかんくらいのサイズになり、色も青から黄色へと変わっていきます。
そしてそのままずっと木になり続け、実のサイズも大きくなり4月半ば~に食べごろになってきます。
つまり甘夏は、夏に実をつけたまま木になり続け、冬を越えて熟し、実の大きさも甘さもすすんでいくのです。

ですから、みかん作りの秘訣ということで言えば、やはり「由比が適した土地」であることが大きいと思います。
我が家ではびわも作っていますが、みかんやびわというのは年間通して温暖な気候の土地が適しています。越冬する甘夏は、気温が低くなりすぎると「冷害」といって、糖度が上がりづらく、苦味が出たり果肉がパサパサになってしまうこともあるのですよ。
由比は目の前が駿河湾、そして 畑は急斜面にあるので日光がたっぷり当たるし水はけも良い。
海面からの太陽の照り返しや潮風により1年を通して温暖だからとても良いものが出来ます。
今年は八朔も甘夏も味はとても良いですよ。

我が家では代々みかんを生産しており、私で5代目ですが、戦後20年くらいまでは「甘夏」ではなく「夏みかん」を作っていました。実は「甘夏」というのは「夏みかん」の系統を引き継ぐ新種として開発され、夏みかんより甘みが強く人気が出たみかんです。
夏みかんは酸味がとても強かったので、昔は妊婦さんに好まれよく食べられていたそうですよ。
またこの甘夏も、現在出回っているみかんの中では酸味が強いほうなのです。

毎年ご注文をいただく方には、「甘夏ならではの酸味、甘み、そしてほんのりある苦みが好き」とおっしゃる方も多いですね。

今回、甘夏でメニューが出来るとのこと、楽しみにしています。

「甘夏のはちみつマリネ」ができました!

  • From:料理家
     二本木ゆうこ
  • To:生産者
    山本農場 山本博俊さま

甘夏のこと、とても勉強になりました。

さて、レシピということで色々考えたのですが、以前山本さんに「薄皮をむいた甘夏に砂糖をまぶして冷蔵庫で冷やすといいおやつになる」と伺って以来、気に入ってしょっちゅう食べています。
簡単で目からウロコの美味しさ。蒸し暑い日や少し疲れているような時にいただくと身体が生き返るような感じです。
この手軽でシンプル、果肉のみずみずしさを堪能できる感じをぜひご紹介したいので、私は兄弟レシピとしてはちみつと白ワインで少し風味を足した一品「甘夏のはちみつマリネ」を紹介したいと思います。

そのまま食べてももちろん美味しい甘夏ですが、糖がまぶされることで表面の食感が変わり、
果肉が口の中ではじける感じがたまりません。ただ漬けるだけですが時間を置かれることで、とてもバランス良く味がなじみ、とっても簡単なのにちょっと手間がかかっていそうな味になります(笑)。

今回送っていただいた「甘夏」と皮も実もオレンジ色が濃い「紅甘夏」両方作ってみました。
共にみずみずしくとても美味しいです。

ここ数年、送っていただく果物で季節を感じています。
これからもどうぞ良い果物を作り続けて下さい。
楽しみにしております。

  • ※この記事は、2011年04月の取材に基づいて構成したものです。

これまでに届いた食材とレシピ

  • 料理家のレシピ本

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  • MIIKU 日本味育協会
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