vol.20 放し飼い比内地鶏 ふるさと牧場さんの「比内地鶏」でつくった、 尾関さんの「比内地鶏と野菜のエチュベ」

放し飼い比内地鶏 ふるさと牧場の阿部重信さんが育てた「比内地鶏」で、自宅で料理教室ラ・ターブル・アン・プリュスを主宰する尾関さんが「比内地鶏と野菜のエチュベ」を作りました。

教えてください

尾関由美さん(大阪府)
尾関由美さん
自宅で料理教室ラ・ターブル・アン・プリュス主宰。フランス家庭料理クラスや男の食彩など、フランス・イタリア料理、創作家庭料理、エスニック、お菓子など多岐に渡りお料理の楽しさを伝える教室やサロンを手掛ける。テーブルに何かプラスすればもっと幸せになれる・・・と願いを込めてお料理だけでなくテーブルセッティングやちょっとした飾りなども提案しています。夫の経営するイタリア料理《ファゴット》のマダム業など

お教えします!

阿部重信さん(秋田県)
阿部重信さん
比内地鶏生産農家です。25年前、金融機関(都内)を退職し、Uターンして比内地鶏の生産販売を始めました。3千羽の飼育から初め、翌年の昭和62年には、7名の仲間と「比内地鶏生産部会」を設立し、1万2千羽でスタートしました。(比内地鶏生産部会副部会長を長年努めました)バラつきの少ない鶏肉を生産するために、厳しい飼育規定を作成して、放し飼いにこだわったヘルシーでコクのある地鶏を生産しています。現在、33名の仲間で今年度の飼育羽数は22万羽です。
放し飼い比内地鶏 ふるさと牧場について詳しく見る 別ウィンドウ

「比内地鶏」のこと教えてください

  • From:料理家
    料理家 尾関由美
  • To:生産者
    放し飼い比内地鶏 ふるさと牧場 阿部重信さま

こんにちは 料理家の尾関由美です。
「秋田・比内とりの市(毎年1月開催)」の際には、大変お世話になりありがとうございました。
あれ以来、比内地鶏を送っていただいて、脂ののった肉質に舌鼓をうって食卓をたのしんでおります。
現地では実際に処理場見学や飼育されている比内地鶏も拝見し、様々なお話を伺えたことは、大変有意義でした。放し飼いにされて自由に動き回っている鶏たち…。餌にも気を遣い、できるだけストレスがかからないように育てているからこんなに美味しいものができるのだなと思いました。

比内地鶏は50%が純血で、生後80日以上でないと出荷できないと聞きましたが、そもそも地鶏と呼ばれるものは、何をもってそう呼べるのでしょうか?また、秋田比内地鶏は、「日本三大地鶏」と言われていますが、他の地鶏と違って、どのような特徴がありますか?
また、阿部さんの鶏たちの飼育でのご苦労されたことなども知りたいです。
それでは、お返事お待ちしております。

「比内地鶏」のこと、お教えします

  • From:生産者
    放し飼い比内地鶏 ふるさと牧場 阿部重信
  • To:料理家
    料理家 尾関由美さま

いつも比内地鶏をご購入いただき、ありがとうございます。

まずは、最初の質問にお答えします。
地鶏(じどり)とは、明治時代までに国内で定着した在来種に由来する親鶏の血液百分率が50%以上の国産銘柄鶏をさします。
一般的な鶏の飼育期間が50日前後であるのに対し、地鶏は飼育期間が80日以上であり、28日齢以降は、平飼いで1m²当たり10羽以下で飼育しなければならないという決まりがあります。

その中でも比内地鶏は、比内鶏(昭和17年天然記念物指定)を父鶏に、ロードアイランドレッドを母鶏にして生まれた、一代雑種です。
日本三大美味鶏の一つで、味はもちろん、歯ごたえがあり、噛めば噛むほど旨みが出てきます。その秘密は、一区画800羽に対して1500平方メートル以上の放牧地に「放し飼い」で飼育していることです。

更に美味しい比内地鶏を育てるには、3つほど大事なことがあります。

一つめは、環境です。
静かで、おいしい空気とおいしい水があり、広い放牧場で思い切り走り回ることができる場所が必要です。ストレスをかけずに自然のなかでのびのびと育った地鶏は、余分な脂肪のないヤマドリに近い味とコクが生まれるのです。

二つめには、環境のところでも触れましたが、「おいしい水」が大事です。
放牧場が山間にあるため、おいしい沢水は、ふんだんにありますし、どこを掘っても地下水が湧いています。また、地鶏の腸内活性の為、複数の有用微生物を組み合わせた「EM」を引水投与するなど、体の中から、健康で安全な地鶏の飼育に努めています。

そして、最後に大事なものは、「健康な土」です。
野菜作りと同じで、「土」が元気でないと、いいものは出来ません。
放牧場をトラクターで耕し、牧草を植えることで、いろんな花が咲き、いろんな虫が集まります。土の中では、ミミズが土を分解して、より良い土作りを手伝ってくれています。
その他にも、比内地鶏専用の餌や、BGM、日々の管理台帳ならびに、トレーサビリティ-は勿論、出来る限りの愛情を注いで育てています。
牧草を食べ、ミミズをついばみ、虫を追いかけて走り回りながら、自然の中でおいしい水を飲んで育った比内地鶏は、余分な脂肪が付かず、歯ごたえがあり、コクのある、美味しい地鶏にできあがるのです。
半年間、丹精込めて育てた、自慢の比内地鶏をご堪能ください。

秋田県比内町産の比内地鶏が、日本一といわれるように頑張ってまいりますので、応援よろしくお願い申し上げます。

「比内地鶏と野菜のエチュベ」ができました!

  • From:料理家
    料理家 尾関由美
  • To:生産者
    放し飼い比内地鶏 ふるさと牧場 阿部重信さま

お返事ありがとうございました。
放し飼いされていた鶏たちが、活き活きと元気に育っている光景が目に浮かぶようですね。美味しい空気・水・土・運動、そして良い環境でストレスを感じずにおおらかに育っている…と言うのは、人間にもつながるように思います。私たち自身も、元気に生きるために必要なことだと改めて感じました。
「地鶏」と言っても、日本にはたくさんの種類がありますが、血統といい、生育といい、最高の品質ではないかと感じます。
そんな環境を作り上げ、愛情を込めて飼育されている生産者さんの努力や思いがこもっているからこそ、美味しい比内地鶏が出来上がるのですね。

比内地鶏は、郷土料理である「きりたんぽ」や焼き鳥などに使うことが多いですが、洋風でこの美味しさを感じられるよう 「比内地鶏と野菜のエチュベ」を作りました。鶏肉の旨みを閉じ込め歯ごたえのある食感を残しつつ、野菜の水分で蒸し煮にして比内地鶏の旨みのある脂分を野菜にも移して味わえる一品に仕上がったと思います。
お料理のレパートリーを広げ、食卓でも安全安心。秋田の土地の風土を一心に受けた比内地鶏を多くの方に味わっていただければと思っています。

食材の詳しい情報はこちら

放し飼い比内地鶏 ふるさと牧場
公式サイト
http://honke-hinaijidori.com/
  • ※この記事は、2011年03月の取材に基づいて構成したものです。

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