プロ料理家346名によるプロのレシピ4636

第70回 フィレンツェ名物ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナの話 from Italy

フィレンツェ名物の食べ物というと、まず間違いなく一番最初に名前が挙がるのが、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ Bistecca alla Fiorentina
(フィレンツェ・スタイルのTボーンステーキ)でしょう。

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私もフィレンツェに行くと友人に話したら、「じゃあ、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは絶対食べた方がいい!食べないと後悔するから」と断言されました。

実はこれで3人前(!)なのですが、この巨大さには理由があります。
本物のビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは
地元の人曰く、「世界で一番大きくて、一番古い」キアナ牛を使ったものとされています。キアナ渓谷周辺で飼育されていることからこの名前があるそうです。

肉質はジューシーでありながら、脂質は少なく、食後感は意外に淡白で、
これだけの量の肉を食べても、意外に胃もたれが起きません。
(翌朝も爽やかに、ブリオッシュとカプチーノの朝ご飯をいただきました。)
プロテインは高いけれども、コレステロール値は低いと言われていますが、
いかにこの肉が健康に良いかの証明ではないでしょうか。

炭火で焼いたものをシンプルに塩・こしょうで味わう、
豪快な中に贅沢なご馳走感のある名物料理です。
骨に近い部分、端のこんがり焼けた部分と、
真ん中のジューシーで柔らかい部分と
部位によってそれぞれ異なるおいしさがあるので、
各自お腹の空き具合と相談しつつ、部位を選びつつ頂くのが醍醐味です。

脂が霜降り状に入り、とろけるようなものが良しとされる和牛とは
全く異なる食感と味わいには、肉の赤身の旨さが凝縮されています。
レアで食べること以外、許されないのは、
純粋にこの独特の赤身のおいしさを味わう料理だからでしょう。
(万が一、ウェルダンに頼んでもお店から却下される確率が高いです)

因にこのビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは
リストランテ・ブカ・マリオRistorante Bucamarioのもの。
日曜日も開いているので、使い勝手の良いリストランテです。

これに最も合うのは地元のワイン、キャンティ・クラシコ。
フィレンツェの大地が生んだ二大マリアージュです。
「地産地消」と改めて意識するまでもなく、
その土地で育った豊穣の美味を食す、
これ以上に贅沢なことはないということを、
イタリア人は知っていたに違いありません。

読者の皆様へ
この一年、私のヨーロッパ美味しいものを巡る旅に
お付き合い頂き、ありがとうございました。
イギリス、フランス、イタリアと
私の美味しいものを探求する旅はまだまだ続きます。
来年はどこでまた美味しいものを発見できるでしょうか。
そしてこのブログでまたお会いできたら嬉しいです。
喜びに満ちた輝かしい年をお迎えください。
来年も引き続き、どうぞよろしくお願い致します。


小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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