プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

第16回 正統派のイングリッシュスイーツを学ぶ ブラウンズのティートリアル

常日頃から「イングリッシュスイーツ」を紹介をしている私ですが、よく訊かれるのが「イギリスのお菓子はどこで習えるの?」という質問です。
ロンドンを訪れる機会があればぜひ体験していただきたいのが、ロンドンの老舗ホテルで開催されているクッキングクラス。実際にホテルの厨房で行われ、パティスリーシェフ自らがデモンストレーションを行います。お楽しみのレッスン後は、シェフと一緒にホテルのアフタヌーン・ティーを優雅に味わうという充実した内容となっています。

いつもはヨーロッパからお届けしている「おいしい かわいい ヨーロッパ」。今回は番外編として、そんなロンドンのホテルのクッキングクラスを日本で体験できるイベント、「ティートリアル・イン・ジャパン」をご紹介します。

英国ティーギルドによる「トップ・ロンドン・アフタヌーンティー2009」に選出されたブラウンズ・ホテル。そのブラウンズ・ホテルのパティスリー・ヘッド・シェフ、ファビアン・エキュヴィヨン氏を招いての「ティートリアル・イン・ジャパン」が5月26日に東京で開催されました。

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この日習ったのは正統派のイングリッシュスイーツ、スコーン、ヴィクトリア・スポンジ・ケーキ、ダンディー・ケーキ、ブラウンズ特製ストロベリージャムです。

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会場となったのは自由が丘にある「セントクリストファーガーデン」。東京にあることを忘れてしまいそうな優雅な時間が流れる空間です。

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パティスリー・ヘッド・シェフ ファビアン・エキュヴィヨン氏の目の前で繰り広げられるデモンストレーション。これはヴィクトリアン・スポンジ・ケーキを作っているところです。会場は熱心なイングリッシュスイーツのファンの方々で、大変な熱気に包まれていました。

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スコーンを抜く時は手首のスナップを利かせて最後にひねるようにすると、きれいな円形になるとファビアン・シェフ。(写真からその感じが伝わっていますか?)
型を抜く前に生地に強くのばし過ぎると、抜いた時の形が変わってしまうので、抜く前に少し手で生地を戻すようにするといいとアドバイス。スコーンが膨らまない原因については、オーブンが充分に温まっていないこと、生地が完全に室温に戻っていないことなどがあげられるそうです。
こうした細かいアドバイスが聞けるのは、シェフを目の前にしたデモンストレーションならでは。ホテルではスコーンを抜いた生地の再利用は絶対にしないとのことですが、家庭でも残った生地をまとめて二回目を抜くよりは、生地の無駄が無いように三角形に形作った方が無駄なくおいしいスコーンができると合理的なアドバイスもありました。こうした家で作る際に応用可能な実践的なアドバイスの数々がティートリアルの魅力です。

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「ファビアン・シェフにとって『トップ・アフタヌーンティー・プレイス』に選ばれたのはどんな意味がありますか?」と尋ねたところ、「ブラウンズでは毎日700~900食分の食事の用意をします。アフタヌーンティーもその一部であり、決して楽な仕事ではありません。私自身というよりは、私達が毎日作り上げているアフタヌーンティー、ひいては今まで共に頑張ってきた、私を含めて7人いるブラウンズのパティスリーのチーム全員に対する栄誉だと思っています。」と答えてくれました。普段何気なくいただいているホテルのアフタヌーンティーですが、こうした実際に作っている人のストーリーを知ると、より味わい深いものに感じられる気がしませんか?

ロンドンのブラウンズ・ホテルで開催されるティー・トリアルは毎回テーマがあり、今後の日程は下記の通りです。
6月13日:イングリッシュ・ストロベリー 9月5日:クッキー 10月17日:チョコレート 12月4日:クリスマス 1人分£85 
予約・お問い合わせは下記ホテルのHPまで。 

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STORE INFORMATION

BROWN'S HOTEL ( The Rocco Forte Collection)

Albemarle Street Mayfair
London W1S 4BP
TEL +44 (0)20 7439 6020
www.brownshotel.com

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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