プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

第44回 一度は食べたい女王のプディング(レシピ)

伝統的なイギリスを代表するデザート、プディング。
焼いたものから蒸したもの、冷やしたものまで種類は実に様々です。
今回ご紹介するのはバッキンガム宮殿のシェフによって考案され
ヴィクトリア女王がことのほかお気に入りだったことに
その名が由来するクイーン・オブ・プディング。

熱いものから冷たいものまで、季節に応じて
イギリスの食卓を彩ってきたプディングには、
イギリス人の質素倹約精神が如何なく発揮されています。
17世紀の料理本にも既に登場しているほどクラシックなレシピ、
残り物のパンに牛乳と卵のミックスをかけ、
オーブンでこんがりと焼いた素朴な
ブレッド&バター・プディングの存在は
皆さんもご存じなのではないでしょうか。
このブレッド&バター・プディングにジャムをのせ、
メレンゲをのせて焼いたものがクイーン・オブ・プディングなのです。

P1080722.JPG

写真のクイーン・オブ・プディングはロンドンのソーホーにあるレストラン、
セント・ジョン・ホテルのもの。
ほんのり温かいカスタードソースを添えていただきます。
しっとりしたパンプディングに爽やかなラズベリーのピュレの甘酸っぱさ、
軽い食感の甘いメレンゲ、カスタードソースの優しい味わいのコンビネーション。
作り置きができないからこそ、ホームメイドがおいしいデザートのひとつです。
簡単なレシピをご紹介しますので、ぜひご家庭でお試しください。

クイーン・オブ・プディングのレシピ:

材料(ココット4個分)
牛乳 550ml
グラニュー糖 75g
レモンの皮(すりおろす)1個分
パン(角切り、できればブリオッシュなどリッチなもの)100g
卵(白身と黄身に分ける) 2個
ラズベリー(冷凍でも可) 200g
グラニュー糖 大さじ2

作り方
1.ラズベリーとグラニュー糖を小鍋に入れ、
グラニュー糖が完全に溶けるまで中火で加熱する。
電子レンジにかけても可。好みで漉して、種を取り除く。
2.ココットにパンを並べる。牛乳、グラニュー糖25g、
レモンの皮、卵黄を混ぜたものを注ぐ。
3.180℃に余熱したオーブンで15分焼く。
4.ラズベリーのソースを重ねる。
5.卵白に残りのグラニュー糖50gを少しずつ加えてハンドミキサーで泡立て、
ぴんと角が立つくらいまで泡立てて、メレンゲを作る。
絞り出し袋で絞るか、スプーンでこんもりと上に盛る。
6.180℃のオーブンで上にこんがりとした焼き目がつくまで5~10分焼く。

STORE INFORMATION

St. John Hotel
1 Leicester St,
London, WC2H 7BL
+44 (0)203 301 8069
www.stjohnhotellondon.com

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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