プロ料理家348名によるプロのレシピ4637

第69回 フィレンツェの老舗トラットリア・ソスタンツァfrom Italy

どの都市にも地元の人に愛されている名店がありますが、ここイタリアはフィレンツェにある創業1869年の老舗「トラットリア・ソスタンツァ・トロイア」もそのひとつ。イタリア語で大衆食堂を意味するトラットリアですが、1900年初頭、フィレンツェで開催されていたカーレースの負傷者の見舞客で店は大繁盛。こうして初代パスカーレ・カンポーニ、その孫グイードの愛称「トロイア」が加わって店名となり、現在に至ります。壁一杯に掛かっている、この店を訪れた有名人の手紙や写真、サインなどが、何より雄弁にこの店の歴史を物語っています。

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名物料理「鶏の胸肉のバター焼き」Petti di Pollo al burro
これが出てくるだけで焦がしバターの濃厚な香りが周囲一面に漂い、食欲を刺激します。外はこんがり、中はふっくらとやわらかい。
ふたつの場合はこんな感じで熱々のまま、サーブされます。

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お店の人のよく馴染んだ色合いの墨色のコットンジャケット、ボーダーネクタイのユニフォーム、きびきびとした気持ちの良い対応に老舗の誇りが感じられます。

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骨を取り除いた鶏の胸肉に衣をつけ、バターで揚げ焼きのように仕上げた逸品。

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テーブルの中央にあるのが、もうひとつのこちらの名物料理アーティーチョークのオムレツ。Tortina di Carciofi。赤ワインもコップで飲むスタイルは、まさに大衆食堂の名の通りです。


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こちらのオムレツは丸い形のままのオープンタイプ、中心にアーティーチョークを入れたもの。料理長のマリオさんが次々とオムレツを仕上げていきます。

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ふんわり、とろとろの半熟のオムレツに、アーティーチョーク独特のちょっと青臭い香りと食感が癖になります。

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キッチンは今でも炭火を使用していて、ビステッカ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風Tボーン・ステーキ)もおススメです。

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メレンゲ好きのかたには、ぜひ、試していただきたいドルチェがセミフレッドのメレンゲ・ケーキ。生クリームを半分フローズン(イタリア語のセミ・フレッド)にしたものに、チョコレートチップが散りばめられた、メレンゲのサクサク感がおいしいケーキです。甘くても、意外なメレンゲの軽さとラズベリーの爽やかさがおいしいのです。

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約40席のお店は常に予約なしでは入れないほどの人気を誇ります。地元の人も観光の人も、見知らぬ人同士がテーブルで隣り合わせに座り、トスカーナ伝統の家庭料理を味わうためにやってきます。
白いタイルの壁、清潔に掃除された店内、トイレに行くのにキッチンを通る店の構造も含めて、古き良き時代の香りがここには今も生き続けています。誰もが愛する、真の意味での街の大衆食堂です。

STORE INFORMATION

      Sostanza Troia
住所  :via del Porcellana 25R,Firenze
電話番号:055 212691
定休日 :Sabato(土) Domenica(日)
お店のHPなし

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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