プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

第52回 パリのお土産 ボルディエのバター

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ヨーロッパに行くと感動するのが乳製品のおいしさ。
酸味のきいた味わい深いパン・ド・カンパーニュに
おいしいバターをたっぷり塗って食べる、ただそれだけで幸せになります。
中でも一流ホテルやミシュランの三つ星レストランに選ばれたバター、
それがフランス西部ブルターニュ地方サン・マロで作られる
ボルディエの発酵バターです。

ブルターニュといえばゲランドの塩で知られる
三方を海に囲まれた有名な塩の産地です。
比較的パンに塩気が利いているせいか
フランスでは一般的に無塩バターが主流なのですが、
ブルターニュでの主流はこの土地ならではの
豊富なミネラル分を含んだおいしい塩を生かした有塩バターです。

オーナーのジャン=イヴ・ボルディエ氏はバターの伝統的製法である
撹拌作業に多くの熟成期間を取るブール・バラット( beurre baratte )と
木製の器具を使用する手練り製法のマラクサージュ( Malaxage )を用いています。
仕上げの成形もひとつひとつ職人の手で行うなど、
現在ではほとんど機械による工場生産で作られたものとは一線を画すバターです。

見るからに黄色いバターは独特の凝縮された牛乳の風味を物語ります。
パンにたっぷり塗っていただくと口いっぱいに広がるミルクの香り、
口どけは滑らかで、塩気がまろやかな旨味と鮮やかな強い風味を加えています。

有塩、低塩、無塩以外に、ブルターニュの海岸の磯の香り漂う海藻入り、
レッドペッパー、柚子などのフレーバーが揃いますが、
お薦めはスモークされた塩の風味が際立った個性を感じさせるビューレ・フュメ。
ブルターニュのサン・マロ本店ほか、パリでは左岸の老舗デパート、
ル・ボン・マルシェのル・グラン・エピスリーでも手に入ります。
パリのお土産に日本ではなかなか手に入らない
ボルディエのバターはいかがでしょうか。

STORE INFORMATION

La maison du Beurre
9 rue de l'Orme
35400 saint Malo intra muros
TEL: +33 (0)2 99 40 88 79
http://www.lebeurrebordier.com/portail.php

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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