プロ料理家365名によるプロのレシピ4812

第八回 「ハンブルグのアール・ヌーヴォーの華 カフェ・パリ」

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ハンブルグはベルリンに次ぐドイツ第二の都市であり、ハンザ同盟の自由貿易港であった歴史が物語るように、独特の明るく開放的な雰囲気が魅力です。

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今回の「おいしい・かわいいヨーロッパ トラベル・ダイアリー」は1882年創業、ユーゲンシュティールの華麗な建築を当時のまま残している「カフェ・パリ」をご紹介します。
アール・ヌーヴォーといえば、真っ先に思い浮かぶのは、フランスではないでしょうか。動植物がモチーフの流麗な曲線を多用したデザインが特徴のアール・ヌーヴォー。実はフランスだけに限られた芸術運動ではなく、ヨーロッパを中心にここドイツではユーゲンシュティールとして花開きました。

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やわらかな電球の光に照らしだされた空間は、そこだけ一瞬時が止まったかのようです。優雅な曲線を描くタイルに縁取られた、天井画の見事な装飾が優しく迎えてくれます。

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いずれもたっぷりとした、お皿から溢れそうな、昔ながらのボリュームのメニュー。ガリア・メロンとプロシュートのスターター。

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ウェイター氏おすすめのクラシックなメイン、ポーク・ステーキとほうれん草のソテー、ポテト・グラタン添えを味わいます。いずれもベーシックな、懐かしさを感じさせるしっかりとした味付けです。

きびきびとした白いエプロン姿のウェイター達と、常連客とのフレンチ混じりの陽気なおしゃべりが心地よいBGMになっています。この活気にあふれた雰囲気もごちそうの一つ。これも創業当時から変わらぬものに違いありません。旅の最大のご馳走は、その土地でないと味わえない、その場所の雰囲気が作り上げる独特の空気感と独自の味わい。往時の面影をそのまま伝えるユーゲンシュティールの建築の中で味わうクラシックなフレンチはここ「カフェ・パリ」でないと味わえない旅の醍醐味です。

STORE INFORMATION

Cafe Paris

Rathausstrasse 4
20095 Hamburg, Germany
TEL: +49 40 32527777
www.cafeparis.net

小松喜美さん写真

フード・ジャーナリスト 小松喜美

イギリスをメインにヨーロッパの魅力を食と文化の視点から紹介するフード・ジャーナリスト。料理・菓子は「ル・コルドン・ブルー」やパリの「リッツ・エスコフィエ」で学んだ経験をもとに、「食べることは生きること」を信条として、日々おいしいものを探究する日々をブログや雑誌媒体のメディアに掲載しています。

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