【第14回】 極上のステーキ@ニューヨーク-U.S.A.
ニューヨーク滞在中、一番エンジョイしたのが、
極上のステーキ。
普段ほとんど牛肉を食べない私たちですが、
ニューヨークでは是非美味しいステーキを楽しみたいと思っていました。
Dry-aging と呼ばれる肉の熟成
なぜ是非ともステーキを食べたかったか?というと、
ニューヨークの有名なステーキハウスでは「Dry -aging ドライ・エイジング」と呼ばれる
手法で丹念に熟成させた肉をステーキとして提供しているからです。
ドライエイジングとは、氷点に近い温度、そして乾燥した状態に管理された冷蔵庫で
肉を熟成させる方法です。肉の水分は飛んでうまみが凝縮するだけでなく、
肉に含まれる自然の酵素が肉の組織を分解。とても柔らかくなります。
そして、エイジングの末に肉の表面にはカビが生えます。
そうです、これは鰹節作りと共通する方法です。
日本人なら誰でも簡単に想像できますよね。これが美味しくないわけがない。
うまみ-アミノ酸の塊となったお肉がステーキとして登場するわけです。
もちろん、伝統的に肉をたくさん食べて来た国では
きちんと温度管理された冷蔵庫などで、最低3週間ぐらいは
熟成さえ、アミノ酸を豊富に含んだ状態になった肉を食べる習慣があります。
しかし、アメリカのこの手法をとったお肉を、どうしてもN.Y.で食べたかったのです。
Dry -Aging についてご参考
・New York TimesのPeter Luger steak house についての記事
ステーキハウスめぐり
滞在初日に訪れたのは”プラダを着た悪魔”の映画の中でも登場した
”Smith&Wollensky”です。
夫が以前出張中に訪れてとても美味しかったということで
早速行ってみました。
私にとってはN.Y.での、そしてアメリカでの初の食事。
オーダーしたのはPorter House Steak。フィレとサーロインが両方楽しめます。
ボリュームがあると聞いていたのでサラダだけ取ってステーキ登場をまっていると・・・
テーブル脇でカットしてくれてさらに盛られたステーキはこんな感じ。
焼き加減はレアーでお願いしたので、中はきれいなピンク。
このお店では外側は豪快に黒くなるまで焼くのが特徴のようで、
香ばしさと、中のジューシーさのコントラストが印象的です。
そして、もちろん、初めての体験で感動出来だったのは、
アミノ酸たっぷりの芳醇な味わいを醸し出す赤身のお肉。
加工の技術によってここまで変貌を遂げるのか・・・と感心しきりでした。
次に訪れたのはGallagher's。
こちらはブロードウェイの劇場街のすぐ近くにあるステーキハウスです。
入口の横にはこんな光景が。Dry-aging中のお肉が並ぶ冷蔵庫です。
ランチタイムメニューを頼んでしまったので、熟成されたお肉ではないものが
出てきてしまいました。お得なセットに惹かれないで、看板商品を頼めば良かったです。
(アスパラサラダ&ステーキの細切りのランチメニュー)
もちろん、N.Y.で一番有名なステーキハウス「Peter Luger」にも行きました。
ここはZagatで20年以上連続1位に輝くステーキハウス。予約も取りにくく
店内はお客さんで溢れています。
ボリューム満点のステーキはこんな感じ。
ハンバーガー&ベーコンもおいしかったです。
私達の一押しは・・・”Sparks”
一番印象的だったステーキハウスはSparksでした。
ここは1985年にニューヨークのマフィアが店をでた直後に暗殺されたという
逸話のあるレストラン。店に入るや否や、ゴッドファーザーのテーマが聞こえてきたのは
私達だけでしょうか・・・(笑)。
アメリカンなボリュームだろうから・・・と遠慮気味にサーロインを1人前オーダー。
しかし、このお肉のあまりの美味しさに、すぐさまフィレをを追加でオーダー。
まるで”お醤油かかってるよね?!”と言いたくなるほど美味しい肉汁がたっぷり。
「ステーキは焼く前に勝負あり」・・・というのが身にしみました。
最高のステーキ!!
N.Y.3週間の滞在は、マンハッタンのど真ん中のホテルでした。
ビルに囲まれ、2週間も経つと、どうにも息苦しくて「空がみたい・・・」と
思うように。
そんな時、夫の会社の同僚が、彼の両親が住む、ニューヨーク郊外に
連れ出してくれました。
そこで楽しんだのがバーベキュー。お肉はマンハッタン、グランドセントラル駅の
ショッピングモールで購入したDry-ageingの最高級品です。
岩塩をたっぷりすりこんで焼いたステーキ。
それを、広~い空の下、草の香りがする自然の中で食べる・・・
これに勝る幸せはありません。
牛肉は普段あまり頂かないし、霜降りが苦手な私達が
すっかり魅了された、ニューヨークのステーキ。
お魚が時間を置くことでうまみを増すように、大きな体の牛の肉は
もっと時間をかけてうまみを引き出すのだということを、舌で学びました。
皆さんもN.Y.を訪れる時は、是非ステーキを堪能してみて下さい♪