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2008年04月 アーカイブ

2008年04月02日

春 乱れる!

4月1日、うそのようなブリザード模様。
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先月3月26日ごろの低気圧と同じくらいの強風+吹雪!

また、ビートハウスの天井窓がふっとぶ~と慌てて、窓枠を固定。

”ふ~、同じ目に会わんぞ”と吹雪と決闘したのでした。

町内の樹木が、強風により倒れて高圧線を断線。一時停電となりました。

”女ごころと秋の空”というようですが、”おんなもそら”もいつも変わりやすいな~(失礼)。

あ~、また春小麦まくの遅れそうです・・・。

2008年04月03日

ららららら~ら~ら こいの~ぼ~り~

3月の末日ですが、晴れ曜日だったので、

早くもじじ&ばばがコイノボリを孫のために用意。

子供達も大はしゃぎでお手伝い。
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私もその昔ですが、お父さんコイノボリの中を探検中、”出口が見つからない!”と

迷子になったトラウマがあります。”そんなバカなことっ”てあるんです。

今年も元気に泳ぎだしました!
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2008年04月04日

硝酸帯Nってなんだ?

突然ですが、硝酸帯N(窒素)を調べてるんです。
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取った土は、乾かして分析にかけて、数値をだします。

小麦の追肥(ツイヒ)といって肥料を分けてやることで、種まきと同時にあげる肥料のことを

基肥(キヒ・モトゴエ)といい、秋播き小麦(ホクシン・キタノカオリなど)は去年の9月下旬ごろにあげています。

今回は春先の補肥を小麦にあげるのに、果たしてどのくらい土に残存硝酸帯窒素量(小麦の収穫までに吸収できる窒素量)があるのかを調べて、目標収量を確保するのに必要な肥料量をだしてみようということで、JA青年部の仲間と勉強会。

農業改良普及所の方々、”農家の困った~?”という質問や疑問に答え、各種試験栽培を農家さんと共に行い、作況調査などを行っています。簡単な作況調査の仕方の説明を受けてます。
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また窒素ですが、植物の葉・茎の発育を促進する栄養素で、小麦には重要なタンパク源です。硝酸帯とは作物の根から吸収される窒素が変化した形のもの。農家の人は”どの種類の窒素肥料を、いつ、どのくらいやるのか”を畑を見ながら決めています。畑がある程度乾いたら、多くのトラクターがウナリ?をあげて肥料をまき始めます。

2008年04月05日

泥だらけの小麦調査

子供達と小麦を見に行った。
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3月下旬。雪は以前からないのだが、気温はそう簡単に上がらない。

畑も長靴じゃないとこのとうり!
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ぬかって、ぬかって息子のミッキーの長靴が脱げにぬげ、油断すると靴下で泥だらけになって歩いている!じゃないかよ~!”こらっ~”って最初からわかって連れて行っているようなものなんだけど。子供はよごすのが商売だから、いいか!

あっ何しにきたんだっけっと畑で思う。そうだ小麦、コムギ。う~ん、元気そう。

2008年04月06日

ビートくん、どうなった?

あれから(3月1日)から播いた、育苗中のビートくん元気です。

3月12日 子葉がムクムクっと出てきました。
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3月24日 子葉の間から、本葉がでてきてます。
(この頃になると、土に混ざった雑草も子葉状態で、広葉除草剤をかけて雑草を抑えます)
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3月30日 本葉が元気に大きくなり、間にはまた新たな葉がポツリと見える状態。
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4月3日 一ヶ月でこんなんなりました! 緑のじゅうたんです。
このぐらいになると、寒さに慣らすのに朝晩を除き、日中は外気温のみ。まだ移植まで20日以上あるのでちょっとビートの草丈が伸びすぎないか心配です・・・。
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お日様に向かって、”太陽をくれ~”とばかりに子葉がたっています。

2008年04月07日

手(T)をつなごう!

わが町に架かろうとしている、橋げた・・・。
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北海道の高速道路がまたひとつ完成しようとしてます。

ちまたの道路特定財源の凍結でこの工事もちょいストップかかるかもしれない・・し、

”熊しか通らない道路”と都会の人から言われるかもしれない。費用対効果で考えたら、

とてもでないけどペイする代物ではないのは明らかだ。と前置きはさておき、

度々目にしてきたこの橋げた、道が繋がることもそうだけど、T字型に手を伸ばしているように見えてならいときがある。きっと全国にいつか繋がるように、手をのばしているかのようだ。

北海道、十勝のこの本別という地でできること。それを皆さんにお届けしたい。”人が繋がり道が続く”そのような農産物が届けられたらと思います。

今日は朝、やさしい雨がふり、ちかじか畑にトラクターで入れそうです。今年の目標は”顔のみえる生産と消費の繋がりをつくること”・・・楽しみに農家ができて幸せに思う今日このごろです。

2008年04月10日

JGAP認証、いただきました!

 GAP(Good Agricultural Practice)って聞いたことあります?ないですよね。

 直訳では”よい 農業の やり方”で、通称”農業生産工程管理手法”というものです。

 だから何?ということですが、
農業者自らが、1)農作業の点検項目を決定
                 ↓
         2)点検項目に従い農作業を行い、記録
                 ↓
         3)記録を点検・評価し、改善点を見出す
                 ↓
         4)次回の作付けに活用する

という一連の「農業生産工程の管理手法」(プロセスチェック手法)のことです。

生産管理農産物の安全確保だけでなく、環境保全、農産物の品質の向上、労働安全の確保等に有効で、農家個々の生産状況に応じて取り組むことで、自らの経営の改善・効率化の現実につながるものです!

 企業でもよくISO(国際的な基準規格)だとか、HACCP(ハサップ)、製造工程ごとにチェックすることで、全体の安全性を高め食品の衛生管理のチェックやリスクの検討をしていますよね。GAPはその農業版!日本の政府もGAPの普及に力を入れ始めています。

 今回認証を受けたのは、ISO認定などを主に行っている第三者認定機関から”JGAP 穀物 認証”をいただきました!パチパチ。大手スーパーのイオンやIYグループなどでも、独自のGAP基準があり、安全性のチェックをすませた農産物が店頭に並んでいます。

 ”農産物の安全”は必ず”安心”の前に来なければなりません。だから”安全・安心”で、”安心・安全”の順にはならないと思います。

 中国の農薬餃子問題はどこか?10000倍の高濃度検出か?問題が長引いているのは”誰が、いつ、どこで、混入させたのか”の一点です。”原因がわからない、どのロットからどこまでが、疑わしいのかわからない”ことが消費者不安をあおっています。これは悪意のある極端な例ですけど、生産工程の中での危険性を見つけ、なくすのが重要ですよね。

 私は別の視点からも、このGAPを活用できないかと思っています。
 農作業日誌のほかに、去年から畑ごとの管理日誌をつけてきました。すると面白いことがわかりました。小麦(特にホクシン)のタンパク数値が畑によって上下2~3%のバラツキがあるのです!
 畑(土)によって、また、管理や天気によって顔(品質)の違いがある。=自然の中の当然の結果?とも言えますが、小麦の用途は多種多様です。生産管理工程や日々の日誌を振り返ることで、消費者やユーザーの使いたいタンパクなどの成分が、どの畑でどう肥培管理すればいいのか?農産物の安全はもちろんですが、それにも活かすことができればより深く農産物を理解しできるし、オーダーメイドでピンポイントに小麦をお届けできるのでは?!と夢を描きつつ、まづは実際にワンステップふみだしてみました。

 認定証は、より良い生産現場、農産物、人の関係を継続していきなさいという証書のように感じています。

 というとで、お使いの粉の成分や欲しい成分数値がお分かりの方は是非教えてください!!!また何の料理に使うのかも。よろしくお願いします。
 なお、麦の民間流通(政府が買う場合)段階では、一定の検査基準があって、タンパク、灰分、容積重、フォーリングナンバーに分けられ、例えば、ホクシンのタンパク許容値は8.5%~12.5%、主にパン用・中華メン用途の”春よ恋””キタノカオリ”の許容値は10.0%~15.5%となっています。
 

2008年04月18日

春よ恋、まきました!

春まき小麦”春よ恋”のは種作業がやっと始まった。

”やっと”といっても、平成19年が4月21日、22日にかけてだから例年より若干早い。

”やっと”の意味は例年よりも、雪解けが早かったものの、土壌の凍結により畑に入れない日々が続いたからで、”まだかな~”と指をくわえて畑を眺めていたからである。

秋播き小麦(ホクシン、キタノカオリなど)が昨年の9月下旬に種まきをして、8月上旬には収穫するのを考えれば、春まき小麦は4月上中旬に播種、収穫も8月お盆過ぎあたりなのを考えると、6ヶ月近くの生育日数の違いがある。

ホクシン・キタノカオリなどの秋まき小麦は冬季は、休眠しているのでそのまま6ヶ月の活動とはいえないが、やはり春小麦も生育日数の確保が絶対に必要。早期の種まきが重要なポイントなのです。

ということで、春小麦の播種工程ですが
1.肥料をまく。 畑一枚一枚に合わせて、土壌分析からえた必要な肥料をあげます。

2.土を暖める。大型の引っ掻き爪(深耕爪)で水はけ対策+空気を土中に入れるのを目的に施工します。
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深耕作業
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次の朝には、気温の上昇とともに、水蒸気が発生。土が息をしてます。

3.1 種の量のチェック。今年は自家採取の種と種子消毒(殺菌剤がついてます)された種を用意。
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自家採取の種
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種子消毒された種(一般のものと間違えないように色粉がわざとついています)

3.2整地し、種まきをする。今年は若干去年より少ない、播種量平均14kg/反で播いてみました。それでも全体で2800kgにもなるんですよ。機械は整地する(ハローといって土を攪拌します)+種まきがドッキングされたものを使ってます。
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昔は馬、今はトラクターと作業機械
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トラクターからはこんな感じの風景

4.鎮圧する。鉄車輪のついたもので、種を土に落ち着かせます。乾燥する年には特に重要です。


2008年04月21日

新品種 はるきらり 誕生!!!

春まき小麦”春よ恋”の後継者ではないのですが、新品種”はるきらり”をこの度播きました。

まず簡単な紹介なのですが、春小麦=春に種をまく小麦=タンパク含量が高い=製パン性が優れる
という感じです。ですが、今までの春小麦は、収穫時の雨天や曇天による、穂発芽(実が熟しているため穂から発芽してしまう。粉にできない、もしくは品質が著しく劣化する。)となります。

北海道の元祖春小麦”はるゆたか”はこの穂発芽が現場問題なんです。農家が作りづらい=病気や発芽しやすい。だから”幻”のように扱われるんです。今は初冬まき(雪の積もる直前にまく)技術が北海道の中央部ですすみ、ある程度はこれらの諸問題をカバーできるようになっています。

 はるゆたか⇒春よ恋⇒はるきらり と穂発芽に強く、日本独特の気候に対応したカビ汚染が少ない品種の改良が試験場で進められ、一般畑の試験栽培となりました。十勝では3戸の農家が栽培に挑戦。うち一戸がわが農場です。

 見た目は、春よ恋と比べると、若干大粒で丸みを帯びている感じ。試験場では少々茎丈が短いので播種量を気持ち多めにというアドバイスをもらったので、”春よ恋”14kg、”はるきらり”16kgで播いてみました。
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 ところが事件発生!去年の豆の収穫後のざんさ(茎と莢)とこれまた試験的に取り入れた機械の一部がミスマッチで、種のでるところが一部つまり、ムラになってしまった・・・。こりゃマズイということで、すぐに従来の機械の方式に部品を取り替えたのです。ふ~っ。

”はるきらり”、キラキラと輝く次世代のエースになることを願いつつ、多くの方に応援していただきたい品種です。誰がつけるんだろう?この名前?いいですよね!

2008年04月23日

石の上にも30年?!

なんだこの肥料袋は?畑の天然石達が運びだされようとスタンバってるんです。
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中にはじゃじゃ~ん!いし、いし、いし、石!!
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就農した当時は、”なんで石なんかとらなきゃならんのだっ”と不機嫌な毎日を過ごしていましたが、いうなればそれは作物のことを考える農家や経営者としての視点からではなく、”やらされている仕事”の感覚があったと思う。

作物の根に邪魔するようであれば取らなければならいし、作業性や作物の部止まりの向上のためにもやらなければならない。人間の力で取り除ける量はしれているかもしれないけど、ちょっとずつ、ちょっとづつ良い畑になるようにと続ける。しかも大人数でこういう作業はやるべきだと思ってやってます。

石の上にも、かれこれ30年。じいさんの代から比べれば、まだまだ楽させてもらってるんだろうなと思う。事業を継続させてくれる石(意思)にも感謝!


 


麦は踏まれて強くなる!

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小麦をローラーで鎮圧している作業です。

トラクターで牽引された鉄の輪がいっぱいついたものを引っ張り、小麦をおさえています。これは冬場、凍結して盛り上がった土が、春先の地温の上昇とともに下がり、根が地表から浮いた状況になるため、おさえてやることによって、養分の吸収をしやすくする効果があります。

土地が乾燥している時しか基本的にできませんが、今年は雪の少なさと春先の少雨で土は乾燥ぎみ。次の雨があるまでに、しっかりと根を下ろせるようローラーを一部の畑に掛けてみました。

麦は踏まれて強くなる!昔の人も”麦踏み”といって太くて強い茎をつくるのに行ったそうです。

2008年04月28日

”ライコムギ”って知ってますか?

ライ小麦って何?って私が聞くものどうかと思いますが、実は今年初めて播いてみました。

国産ライ麦が稀少性があるのはわかりますが、それよりもなじみのないライ小麦はどうなのか?

ライ小麦とは・・・
ライ麦+小麦(属間雑種)=ライ小麦=ベタベタやん!

1998年の文献によると、世界のライコムギの栽培面積は約291万haで、主要国はポーランド、ロシア、ドイツ、フランス、アメリカなど。栄養価の高いことから青刈りで飼料作物として、食用としても、生産されている様子。

食用加工の特徴
1.グルテン含量が少ない。
2.ミネラル含量が高い。
3.アミラーゼ活性が高い。
4。独特の風味を持つ。

食べてみなければわからいですが、帯広市のあるパン屋さんでは最近まで、この粉を使ってライコムギパンを出していたそうです。オーナー様によると、ライムギでもない、コムギでもない、独特な甘い風味、香ばしさ、モチモチ感のあるパンができるそうで、ファンも多いようでした。

まづは栽培してみないと、どうにもならないと、早速ではないのですが種を手配。4月17日にまいてみました。秋播きなのか、春まきなのかもわからないまま・・・。防除や肥培管理は麦類に準じてやろうと思います。
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ピンクに色づけされているのは、種子消毒(殺菌剤)がほどこされてます。検疫上の問題と健全種子の確保のためと思われます。

種の見た目は”春よ恋”よりも粒が一回り大きく、両端がとがったもの。”う~ん、いけるかも”と種の見栄えで判断して、”青田褒めるな”ということわざがありますが、少々期待してます。

あとはどんな味がするのか楽しみです。どうなるのかワクワクっ!

堆肥つくり シーズン1

何の山だかわかります?
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答えは堆肥の山脈です。10tダンプ、およそ300台分の牛糞が集結したのであります。

牛やさん3戸から、小麦の収穫後にでる麦わらと交換したもの。

畑の麦わら⇒酪農家の牛の敷きわら⇒堆肥化⇒完熟化⇒畑でじわじわゆっくり効く栄養素として戻す
リサイクルというより、付加価値をつけて循環している感じでしょうか。

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裁断されて敷きわらにつかわれているため、最初の堆肥はこんな感じ。まだまだ水分ばかりなので、これから撹拌作業をして、他資材も投入しながらいろんな微生物を増やします。土にも多様性が必要だと思ってます。

しかも最近の堆肥、臭くないんです!牛やさんによるようですが、活性水などの資材を餌と混ぜたりしているためで、撹拌作業でもしないかぎり、近くによっても”くさくな~い!”と娘にも言われるくらい。

一年や二年では効果はあらわれないけど、長い目で土のことを考えてます。

2008年04月30日

”春よ恋” 発芽!

春まき小麦 春よ恋が発芽してきました!4月27日の写真。
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4月15日にまいた最初の圃場は、その後、良いお湿り(雨)をもらい、春の陽気と共にいっせいに発芽してきました。天空に向かってピィ~ンと背筋をのばしているような感じかな。言いすぎか・・・。しかし気持ち良さそう。

ちなみに、同日にとった違う畑。ホクシンと春よ恋がお隣どうしです。
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まだ春よ恋は発芽してきてませんが、もうあと数ミリのとこです。しかし、同じ小麦なのにこれだけの違いがあったも、収穫時期が2週間ほどしか変わらないというのは、作っていても不思議。春まき小麦は成長スピードが速いし(ただそう感じるだけなのか?)、急激にドンっと大きくなるからな~。

隣接しているので、今年はうまく観察できそうです。

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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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