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”ゆめちから”の兄弟?北海262号!

チホク会という勉強会がありました。
それはこの会始まって以来の寒い小麦研修会となりました。
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まず自分ちの畑の”ゆめちから”を視てから・・・。あれ、この斑点模様はなんだべ?病気?薬害?と宿題をもって参加。
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今年のコースは音更町と芽室町の農家さんをぐりっとまわって、十勝農業試験場にて新品種や既存品種の特性について研修しました。
なにせここ4月は寒い!!去年あれだけふった大雨も温かくならないので畑から抜けていっていない感じ。昨年は4月10日には”春よ恋”まき始めましたけどなんか寒い。
畑によっては乾いていて、畑によってはまだぬかるむ感じ。
 勉強会はそのぬかるむ(昨日も雨と雪がふりました)中行われ・・・
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午後一番の十勝農試の研修はこんな感じで、横殴りの吹雪の中。
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と育成選抜を抜けてきた優良品種がここでさらに試験を受けます。ここで実際の農家の栽培状況に近い試験をいろいろやっています。肥料、農薬、病気、収量、品質、食味検査まで。育種は大変なお仕事なんです。
 ん~それにしてもすごいホワイトアウト!鼻水をすすりながらの視察です。
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いました~!発見”ゆめちから”の兄弟分?”北海262号”まだ名前が決まってもいませんし試験段階。”ゆめちから”でさえ、まだ普及も見たこともほとんどないのに、こうして次の選抜がされているんですね~。特徴はパン用粉である病気にも耐性をもっています。
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これは、北見85号といって、中華めん用に開発しているものだそうで、”キタノカオリ”の代替になるかもしれません。”キタノカオリ”は各地でピンチの声が聞こえます。確かに、栽培するにはここ数年、難な年がつづいていますからね~。でも、”キタノカオリ”は独特の色味ともっちり感、そして職人魂をくすぐるじゃじゃ馬的な要素をもった小麦。毎年味の違いあると思います。

 で、結局一番最初の斑点はなんなのか?病気の一種にかかっている種子を利用したからではないかとの推測がされました。視察した農家さんでも同じ症状が見られ、品種の特性と昨年の雨の影響で、種子に付着した病気もあったのではないかとのことでした。
 対策としては、種子消毒をきっちりおこなうことも重要で、同じ試験でも種子消毒ありの圃場は、ほとんど枯れがないということ。

 畑はいろんな発見があって、出会いがあって、人間業じゃどうにもならいなこともあって、将来を見つめる匂いがしてきます。

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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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2010年04月14日 23:24に投稿されたエントリーのページです。

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