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てん菜糖を掘る天才機械

砂糖の原料、ビートを掘る機械=ビート・ハーベスターなんです。

国内では、北海道でしか作付けされていないてん菜糖ですから、機械も特殊なものになってます。
手順は
1.ビートの葉っぱを切る(大根部分しか糖分がないから)
2.掘る(とにかく拾いあつめます)
3.土場にパイル。(掘ったビートを山のように集積します)
4.シートをかけて保存。(朝晩の凍結で、劣化が激しくなるのを防ぐため)

1.の葉っぱを切るですが、うちでは”タッパー”というナイフつきのはっぱを切る機械が収穫機についているものを使っています。トラクターは2本の畝をまたぐので、2列分処理が可能です。
1列は”タッパー”で葉っぱを切る。もう一列は葉っぱの切られたビートを収穫するようになっています。
CIMG2980.JPG
写真の手前の鉄の車輪(フィラーホイール)+40cmくらいのナイフが下部にあって、葉っぱを押さえはさむようなかたちで、ナイフで葉っぱを切り落としていきます。それからもう一列を掘っていくことになります。写真は”口開け”という作業で、一番最初に機械が入るさいは、掘り取り口の前に”クリーナー”というゴムべらが高速で回っていて、これで葉っぱを叩き散らしながら収穫します。
CIMG2947.JPG
左から掘り取られた列、タッパーで切られた列、無処理の列。

CIMG2946.JPG
トラクターに牽引されるビートハーベスター。タンクに掘り取られたビートが入ります。一回におよそ6tほどのビートが詰まります。”ピタROW(うね)くん”とありますけど、掘り取り口にセンサーがついていて、ビートのうねをついづいしながら収穫できるんです。”ピタっとうねに合う”=”ビートがこぼれない”=”運転手は前を見て収穫するだけ”=”人間・疲れなくて、収穫・早い”といったところからついたネーミングだそうです。北海道のビート収穫機ではNo.1の信頼度、毎年機械の試験をさせてもらっていますが、ここの㈱日農機という会社”スゴイっ、気合はいった技術スタッフ!”150mはある畑を何度も何度もビデオを取りながら走り回っているんです。冬だというのに午前中には”汗だく”。この会社がなかったら、北海道のビートは衰退していたかもしれません。日本にはこういう熱い機械メーカーいっぱいありますよね!
あっ、うね(話)ズレマシタ。

それから、3の土場でビートの山(パイル)を集積をします。
CIMG2945.JPG
最後に凍らないようにシートをかぶせて、風に飛ばされないよう重り(土のう、廃タイヤ)をのせます。この時期の北風や西風は半端でないときがあります。幅10m分のシートに覆われています。
CIMG2936.JPG
近くによると、なんとも土に混じった甘~い匂い(香りという表現は難しい感じ)がしてきます。今年は、カッパン病という恐ろしい(収量・糖分ともに低下)病気はほとんど見られない感じ。どれだけ、甘くなりましたかね~。

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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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2008年11月26日 23:06に投稿されたエントリーのページです。

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