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ジェフリーハメルマン夫妻との宴

前回の”パンを愛する匠達とともに”の後編。

今回のこの時間は夢のような時間でした。
小麦粉の違いを感じたり、写真はバーモントと当農場のキタノカオリ(全粒粉)を東京で試作してもらったもの。
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粉の粒度の違いもパン作りには重要な要素と教えていただきました。
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上記写真の上のパンは粒度が荒く、パンの目が詰まっている。グルテンが切られているもよう。
同じ小麦でも、挽き方もまた重要。

パンつくりは全くわからないことだらけでしたが、ジェフリーさん夫妻が住むアメリカ・バーモント州の農業にはアメリカらしからぬ食文化が根づき始めているようでした。
というのも、州のほとんどの町が何千人という小規模な集落をなし、アメリカ農業=遺伝子組み換え作物的な栽培もなく、農家の規模の30~40haと十勝畑作農業の規模とそれほど変わりがありませんでした。

農業経営体も、有機農業や緑肥や家畜のたい肥や糞尿をつかったりした循環型農業をおこなっていること。
規模では他の大きな州に勝てるわけもなく、それよりも”地産地消”の地域づくりがすすんでいると感じました。
新鮮な農産物を求め、地域の人たちが農家を支え、農家もジャムやチーズなどの加工品を販売したり、立地的にもニューヨークやワシントンDCに3時間程度とそれほど遠くないということもあり、消費者目線の農業経営で、いわゆるアメリカ的大規模な農業のそれとは違うようでした。

”Green Manure"(緑肥)について聞かれた時は、本当に驚きました。パン職人が、農家の畑の作り方にも精通しているとは。”知ろうとする”という言葉よりは、より身近に農業を感じる風土が現地にあるんだなと推測しています。いつか、日本のパン職人の方たちも、小麦畑にたって、今年はこんな感じかな?なんて思ってくれると、農家にとってもうれしいはずです。

こうなると”地産地消”という言葉も、生産者も加工者もともに”地を産みつづける存在”になるかもしれません。

さぁ、今晩は宴です。
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準備は、エグビブの奥様、子どもたちを中心に、真狩のJINさんの手料理がならび
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日本のパンの巨匠たち、明石さん、二瓶さんが神聖な儀式のようにパンをきりわけ
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パンプレートの上に、今日焼いたたくさんのパンたちが用意されます。あんな大きなカンパーニュやリュスティックがドンドン皆さんの体に吸収されていきました。
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最後にジェフリーさんからも”ここに集まった人たちは明日、それぞれのところに離れてしまうけれども、この日であったことや素晴らしい経験を他の人たちとも共有し、またつくっていってほしい”と一言。
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とっても気さくでジョーク好きのジェフリーさんとともに。本にはサインもいただき、励ましのお言葉もいただきました。
Daer Mr.Jeffrey
It was nice to talk to you here in Hokkaido, Japan.
I had great oppotunity to spend precious time with you and decent bread artisans of Japan.
I think everybody got there won't forget moment we shared.
Thank you very much for words of cheer.
Please taka it easy and can't wait to see you again!

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翌日早朝のエグビブさんから眺める、眺望は素晴らしく、まさに”Rising Sun!"です。
またまた気合い入りました。

お世話になりました、エグビブの家族の皆様、明石さん、二瓶さん、森本さん、N43の会の皆様、大変貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。

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コメント (2)

えっちゃん:

茂雄君の興奮が手に取るように伝わってくるリポートです。たいへんなラッキーでハッピーな集まりに参加できたようですね。仕事の合間に小樽まで駆けつけるなんて若さと情熱に感服です。次の仕事へのモティベーションもあがったことでしょう。Aっこちゃん知ってると思いますが、ジェフリーさんのバーモントってターシャ・テューダーさんのお庭のあるところですよね。遥か南半球では、やいま号がモルディブに到着したようですよ。今朝入手したニュースです。
Hご両親も楽しまれていらっしゃいますか。

しげパパニコニコ:

えっちゃんさん

 いつもメールありがとうございます。
包括的な一族のご意見番として、情報、アドバイスいただきましてありがとうございます。

 そうですか、エイマ号もついにモルジブまでいきましたか。両親も北海道満喫できたようでよかったです。

 もうちょっとで、秋まき小麦の種まき始まります。
あっ、そうだ。バーモントってターシャさんのとこなんですか?新発見です。

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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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2009年09月15日 23:44に投稿されたエントリーのページです。

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