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畑はスイートファクトリー ビート移植

甜菜糖って使ってくれてますよね?グラニュー糖とか?
よく横浜の東急バスとかにのったら、”お砂糖は太陽がくれた天然甘味料”とかのチラシとか北海道ではおなじみのラジオCMとか流れてます。
日本では2箇所がその生産地。沖縄のサトウキビに北海道は甜菜です。
そういえば、横浜って砂糖のふるさととか書いてある倉庫あったな~、どうしてだべか?どっかから舶来物の砂糖が伝わったのが横浜だったのかな?

あの3月上旬に種をまいたポット苗はやや50日も過ぎて移植されることとなりました。畑デビューです、パチパチ。作業は4月30日から5月9日までびっちりでした。天気良すぎじゃないか?と途中思いましたけど。
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ペーパーポットといって、紙のポットなのですが最後は溶けてというか、土に分解されてなくなります。ポットの下には苗の根がびっちりはえることとなり、こうして側面に土がついていたりすると余計に紙筒を突き破ってなんとか根が土につこうと頑張るのです。

畑に移植するといっても、種でまくわけでないので重労働作業となりますし。ただ移植すればよいわけでないのです。まずは整地から、今年は3タイプの機械を使って整地することになりました。パワーハロー・スプリングハロー・ロータリーです。理由?機械が途中壊れていったのです・・・トホホホ。
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パワハローは初日の整地でクラッチ盤をやってしまい、スプリングハローといってS字型の爪が何本もついたもので土を撹拌するように整地していきます。2回かけたり、時にひどいところは3回もかけたり。今年の畑はどこも石がスゴイ!
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二時間でこれだけたまって、その前の週だってアルバイトの学生といっしょに手拾いしたのに・・・。着実に取れば減る。とは思いつつも毎年恒例の作業です。

それから窒素肥料の約7割を前面に散布して、プランターという肥料を筋上にまくきかいで、畝の筋をつけていきます。大体の農家さんが4本づつ畝を機械でつけていきます。それから移植機が筋上に苗を一本一本うえていくのです。うちのは、ポット一冊をまるまる使うタイプで、その一冊を専用の爪のついた針ではがしながら機械のテーブルに並べていきます。
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上記写真は、この道25年のベテランの援農さんが順序よくポットを機械のテーブルにならべます。
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二人で4列ですから、ポットは途中で半分半分に振り分けられるんです。
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機械の構造はシンプルですが、実に良くできています。相手は紙筒にはいった土ですから、いたるところにスポンジやゴムの柔らかい素材がつかわれています。最後にうちでは鎮圧ローラーといって苗の浮きを押さえ込みます。特に春先の土が乾いた状態では、そのほうが根のつきが良い感じをうけるからです。鎮圧するのは苗の首が折れるなどで嫌う人もいるようですし、土壌水分が高いときは不向きです。

それからそれから、今年はすかさず深耕カルチを入れてみました。ほぼ移植と同時に終了。毎年移植後2週間くらいの間にやっていましたが、より空気や雨水がはいることでスタートダッシュが良くなればと試してみました。
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移植作業は苗とりや、補植といって人が歩いて、苗の抜けや元気のないものと交換移植する作業があり、うちは大人数あつめてヤンヤカンヤと作業です。休憩は世間話。
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さぁ、今年も甘くなりな!!ビートたちよ~。

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コメント (5)

ぶんちゃん:

久し振りにのぞいてみました。まあ、よく書いていますこと
忙しいのに”まめなこと"と感心しました。
畑作業も本格的に忙しくなっているのでしょうが、周りのこぶしや桜の花もきれいで北国の遅い春の訪れを感じさせます。
故郷の風景はどのように眺めても懐かしさを感じさせ、胸が熱くなってくるもののようです。今夜の天気予報も雪を報じていましたが本別はだいじょうぶかな?海の上の叔父さんも心配だけど、天候に左右される農作業も心配です。
頼みごとありで、手紙書きます。

しげパパニコニコ:

ぶんちゃんさん

 ご無沙汰です!メールありがとうございます!
”郷愁の念にかられる”とは風土を伝えてて良かったです。自然ですからキレイなのも一瞬ですよ。枯れてもまた来年見たいな~と思えれば楽しみにいけるのかもしれません。
 トイレにはってあるカレンダーに”自然に不自然はない。あるのは人間が思うことだけだ”なんて書いてあったけど、確かに不自然だなと思うのは言うこと聞かそうとしてる我々ですね。

 今日はめちゃ寒です。明日は霜ですね。ハイ。
お手紙まっております。

no-ota:

こんにちは。のーおたです。早く始まった割りには何故か余裕がない毎日です。今日はロータリーヒラーでお芋の培土です。昨日ビートの移植機メーカーのS社が倒産したとネットで見ました。不況の波が田舎にもジワジワと迫って来ているみたいです。農業ってやっぱり足腰の強い業界なのだなと余計なこと考えてたら曲がっちゃいました。昼からは集中デス。

no-ota:

コンバンハ。のーおたです。
なかなか1段落が着きません。
出だしが早かったのにぜんぜん余裕がなく毎日忙しくしています。シゲさんのところは、結構石あるんですね。沖積土ばかりではないのですね。
 ジャガイモ作られているなら思い切ってセパレーターを導入するという手もありますよ。
 ストーンピッカーより能率も良いし。幕別農協さんでは、当初ベット作りが目的だったらしいのですが、今は石取りの仕事が多いらしいです。
 実際使っている人にお話しを聞いたところ耕盤もできないので、セパレーターの後にスプリングハローで均して豆を播いたりしているらしいです。
 おかげさまで自分の畑は、石はごくごく1部しか出ないので、機械が壊れなくて良いですがソノ分湧き水対策と酸度調整にお金がかかってしまいました。
 最近は、やっとこさ有機質に手を出せるようになりました。
 移植機メーカーのS社が倒産してしまいました。
ビート作りの将来ってどうなってしまうのでしょうね。
不況の波がいよいよ北海道にも押し寄せ始めたのかしら?
やっぱり農家って良い商売だなと考えながら今日も畑にチゼルプラウをかけているしだいです。

しげパパニコニコ:

no-otaさん

いつも貴重なアドバイスありがとうございます!
そうですね、不景気のあおりは刻々と十勝の農業にも襲い掛かりますね今後さらに。”困ってから打つ手は貧素なものでしかない、積極的にマーケットを探す”というのが私の農業です。右往左往、七転八倒してもいい、”♪一歩いて二歩下がる~♪”とひばりさんも歌ってました。今はそれで良しだと思います。
 さて、石は売るほど畑からでてきますが、本別ではあまりに石がおおいため、一部の農家さんで”ストーンクラッシャー”という石割機が使用されています。馬力は相当喰うようですが、何度かかけるうちに、石が砂利程度になるのです。確かに徐礫暗渠いれたりすると、余計悪さする可能性ありますからね。
 うちは芋がないのでつくってはいませんが、毎年恒例の石とりは人海戦術か、ストーンピッカーをかりてやってます。
 ホント、”農家(ローマも)は一日にしてならず”ですね。
 

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プロフィール


前田 茂雄(まえだ しげお)

【プロフィール】
1974年 北海道・本別町生まれ。
東京農業大学 卒業後、テキサスA&M州立大学、アイオワ州立大学にて米国の大規模農業経営や流通を学ぶ。
1999年 前田農産食品合資会社の4代目として本別町で就農。
103ヘクタールの耕作地で、小麦(ホクシン、北の香り、春よ恋)小豆(エリモショウズ、キタノオトメ)、甜菜を生産。

三児のパパ。
趣味:テニス、映画鑑賞、旅行。
(写真提供:日本農業新聞)

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2009年05月13日 23:04に投稿されたエントリーのページです。

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