芯までおいしい人参でレモンバター風味のグラッセ

フランスの食の魅力といったら、まずは日常的な普通の食材が、あたりまえに美味しいということでしょう。サラダの葉、じゃがいも、いんげん、苺、卵、ハム、バター、コーヒー…、毎日の食事に欠かせない食べ物を口にしたとき「あぁ、フランスに戻って来たんだ!」と、思わずニヤリとしてしまう私です。
先日のことです、パリに戻って早々に予約した話題のレストランで人参の冷たいスープを注文。品書きを見ると、とても不思議な素材の組み合わせなのに興味を持ったのです。本当に美味しいの? さて、テーブルに運ばれてきたのはみごとに鮮やかなオレンジ色の人参のスープグラッセ。その中央にはキュウリの薄切りで直径5センチ弱の輪っかを作り、中にイカのソテー、その上にニンニクを粗く刻んでお菓子のチュイルのような少し甘い生地でつないだガレット状のものが添えられて、スープの上にはイカの墨をベースにしたと見える濃い灰色のムースがこんもりと。明らかに、まず最初にデザインありきの料理。ビックリするほど不味かったのは言うまでもありません。
さて、市場を歩くといかにも完熟した、柔らかくて香り高そうな人参が山と積まれています。何日たってもピンピンしたままの日本の人参と違うのは、買って二日もたてば萎びはじめることでしょう。畑でギリギリまで熟させてから収穫しているからですね。切れば中心まで鮮やかなオレンジ色。加熱すればあっという間に火が通ります。完熟レモンの果汁とバターの風味で艶やかにグラッセしてみると、まるで果物のマンゴーのような色鮮やかさです。素材の組み合わせなぞに凝らなくても、シンプルが美味しい。これができるのがフランスの食材の底力なのですね。
ギャラリー リブレ・インフォメーション
9月、料理家・山下敦子さんと
天然酵母のパンの会を開催します。
◆酵母研究家 山下敦子さんの 優しいパンの会
日時:9月19日(土)11:00~14:00(ご案内開始10:45)
9月19日(土)18:00~21:00(ご案内開始17:45)
形式:デモンストレーション&試食
講師:山下敦子
定員:12名
会費:12,600円(税込)
【お申し込み・詳細】
ギャラリーリブレのページをご覧ください。
6月24日、ギャラリーリブレで開催された「料理勉強会」に参加して下さった酵母研究家・山下敦子さんに、トマトの酵母を使ったとびきりナチュラルで、ほんのりと甘い、たいへん美味しいパンをプレゼントしていただきました。これがご縁でこの9月末、リブレで山下さんの講習会を開いていただくことになりました。
米や麦はむろんのこと、野菜や豆、海藻からも酵母を造り出すという山下さん。ぷくぷくと発酵中の、いろいろな色の酵母を並べて見るだけでも楽しそうです。これが最後には自家製のヴィネガーになるというのですから、是非リブレトピックスでこの優しい風味のパンの作り方を教えていただきたいと、講習会を開いていただくことになりました。
私も何か一品作って、健やかな暮らしのためのワンプレートを召し上がっていただきます。



