上野万梨子さん写真

料理家・上野万梨子さん

東京生まれ。77年から90年まで、東京・玉川田園調布の実家にてフランス料理教室「La Nouvelle Image」を主宰。91年パリに移住し、現在もパリを拠点に書籍・雑誌への執筆、イベントの企画編集、商品開発のコンサルティングなど、食の分野で幅広く活躍中。主な著書に『小さなフランス料理の本』(NHK出版)、『上野万梨子のパリの小さなキッチンから』(大和書房)、『上野万梨子の1,2,3レシピ』(講談社)がある。
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しなびたナスがこんなに美味しいなんて

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ピーター・メールの「プロヴァンスの12ヶ月」で一躍脚光を浴びたメネルヴ村。世界各国からの観光客で季節を問わずに賑わうハメに落ち入った村の日常生活は激変し、当のピーター・メール氏は自宅前に横付けになる観光バスの車窓から家の中を覗かれる暮らしに耐えかねて早々に米国に移住。それでも人気衰えぬメネルヴ村は今日も多くの観光客で賑わっています。

そのメネルヴの小さな丘の膝元にあるのが、私が度々訪れているバスチード・マリィという心地よいホテルです。庭には葡萄畑、レストランの庭先には小さな菜園。観光客のハートを狙い撃ち!というコンセプトが見え見えではあるのですが、それはサービス精神の成せる心意気と思えばよいのでしょう。シャンブルドットと呼ばれる民宿に泊まり、現地の人々の暮らしに触れる旅も魅力的ですが、でもそれはフランスの暮らしにある程度慣れている人にとっての魅力。遠く日本からやってきた家族や友人達が楽しめるのは、ここのように上質な観光ホテルなのかもしれません。

さて到着早々、シェフを訪問しに厨房を訪ねると、裏口の軒先にしなびた茄子が並んでいるのを発見。南仏ではよく見かける白い皮の茄子、まん丸の茄子や細長茄子達が太陽の陽の下で、丸ごとシワクチャにしなびているのです。理由は?シワシワになるまで水分を抜くことによって、当然味は凝縮し、生のままでは炒めるにしても大量の油を吸い込む茄子が、水分を抜いておくと調理に使う油がぐっと少なくてすむのだそうです。なぁるほど……。

その日の夕食で味わった、フレッシュタイムの風味が効いた茄子のマリネが美味しかったことは言うまでもありません。もとより、プロヴァンスの茄子は美味しいのです!民家の厨房から漂ってくる茄子とトマトの煮込みの香りには、どんなにどうしても、日本の茄子では叶わぬ味わいの深さが秘められているものものなのです。

しなびている茄子の写真を撮ってこなかったので、写真は朝市の茄子です。右の方に見えるのがさや付きのいんげん豆。生のインゲンはあんなに美味しいのに、何故日本では流通していないのかしら?先日の「フードソムリエ料理勉強会」で北村さんにお話したところ、北海道では手に入りますよ!という嬉しいお返事です。次回のこのコラムでは、生のいんげん豆のお話ができるかもしれません。

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2009年7月のイベント・スケジュール

◆7月9日(木)13:00~15:00
 Daily Cooking Class デイリークッキングクラス
 「フライパン一つでできるクイッククッキング」

◆7月10日(金)13:00~15:00
◆7月11日(土)13:00~15:00
 Daily Cooking Class デイリークッキングクラス
 「作りおきできる夏のおそうざいレッスン」

◆7月15日(水)  11:30〜14:30
 上野万梨子の料理の会
 ※クラブリブレ会員のみを対象としたレッスンとなります。

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